白山(2702m) 加賀禅定道

◆ 山行記録

山行概要

山行日 2004年4月28日(水)〜5月2日(日)
前夜泊3泊4日(避難小屋、テント泊)

四塚山 @天池室跡過ぎ  拡大
天気  4/29(木)〜5/2(日):快晴、微風 
コース
概要
4/29:一里野---奥長倉避難小屋TS2
4/30:TS2---美女坂---四塚山TS3
5/ 1:TS3---大汝峰---御前峰---室堂(周回)、---奥長倉避難小屋TS4
5/ 2:TS4---しかり場---一里野
装備 25kg(テント泊+雪山装備)
食料 夕・朝食(3)+行動食(4)+水(1.5L)
同行者 Y.N氏(OAC会員1人)
企画 白山残雪期登頂(加賀禅定道)

行動記録

【4/28(水)】
岡崎(2050) === 岡崎IC(2105) === 一宮JCT(2200) === 長良川SA(2220,2230) === 白鳥IC(2305) === 勝原(000)TS1

就寝(030)
【4/29(木) 快晴、微風】
起床(530)

TS1(550) === 白山一里野(715,930) +++ 山頂駅(935,945) --- 禅定道登山口@林道(1015,1025) --- 檜倉[道標](1030) --- 檜倉[地形図上](1055) --- C1340m(1125,1135) --- しかり場(1250,1330) --- 口長倉山手前(1430,1440) --- 口長倉山(1500,1510) --- (1540,1550) --- 奥長倉避難小屋(1625)TS2

就寝(1900)
【4/30(金) 快晴、微風、4℃@奥長倉避難小屋】
起床(410)

TS2(550) --- 美女坂中間部(705,715) --- 美女坂の頭(815,840) --- 百四丈の滝 --- 天池室跡過ぎ(948,1000) --- 油池(1030) --- 長坂途中(1105,1130) --- 長坂途中(1213,1222) --- 四塚山(1257)TS3

就寝(1800)
【5/1(土) 快晴、弱風、0℃@四塚山】
起床(300)

TS3(450) --- 七倉の辻(500) --- 大汝峰(550,605) --- 御前峰(645,700) --- 室堂平(725,735) --- お池めぐり周回途中(810,820) --- 七倉の辻(925) --- 四塚山(940,1100) --- 油池(1145,1155) --- 花園(1232,1244) --- 天池室跡(1250) --- 百四丈の滝 --- 美女坂の頭(1325,1345) --- 美女坂途中(1420,1428) ---奥長倉避難小屋(1458)TS4

就寝(1900)
【5/2(日) 快晴、微風、7℃@奥長倉避難小屋】
起床(400)

TS4(530) --- 口長倉山手前(625,633) --- 口長倉山(642) --- しかり場(718,735) --- 檜倉[地形図上](821,830) --- 檜倉[道標](851) --- 禅定道登山口@林道(854) --- 山頂駅(913,920) +++ 白山一里野(925,945) === 温泉センター「天領」(950,1105) === 「福そば」陽明店(1215,1250) === 白鳥IC(1355) === 関SA(1435,1445) === 岡崎IC(1605) === 岡崎(1620)

白山 行程図
この画像は国土地理院発行の数値地図を使用して編集しました。

◆ 山行資料

各種機関 (役場、医療、警察、消防、交通)

尾口村役場 0761-96-7011 白山自然保護センター 0761-95-5321
鶴来警察署 0761-92-1161 中田タクシー(尾口村) 0761-96-7151
尾口駐在所 0761-94-2102 大日タクシー(吉野村) 0761-95-5138
金沢市消防本部 076-224-1119 「福そば」陽明店 0779-66-6060
鶴来総合病院 0761-92-1250 中宮温泉くろゆり荘  0761-96-7955
新村病院 0761-93-0100 温泉センター「天領」 0761-96-7846

◆ 日誌と写真

行動日誌

【4/29(木) 快晴、無風】

 7:15、白山一里野温泉スキー場に到着する。グリーンシーズンに変わったスキー場の朝は牧歌的な長閑さが漂っている。ゴンドラはG/W中毎日運転されているが始発は9:30である。身支度を整え車の中で朝寝を楽しむ。

一里野温泉スキー場ゴンドラ山麓駅

グリーンシーズンを迎えたスキー場
 大きな機械音に目を覚ます。係員に5/2に戻る計画を話し車を指定場所に移動させる。荷物を前席に、自分は後向きの特等席に座り、暫し”観光客”となる。僅か5分で標高1030mの山頂駅に到着する。片道400円。

ゴンドラで標高1030mまで上がる

一里野温泉スキー場ゴンドラ山頂駅
 「加賀禅定道 登山口」の案内板の後ろの階段を登ると双眼鏡が設置された狭い展望台に至る。一番の展望目玉は大笠山だろうか? 笈ガ岳は山毛欅尾山に隠されている。
 登山道は展望台を降りて左手に続いている。直前の降雨は1000m以上では雪になったそうだ。思いがけない新雪を踏み締めての山行が始まった。30分ほどで林道に出る。林道から登山口に向かって真新しいトレースが付いている。ゴンドラを使わず林道を登ってきた人がいるようだ。

季節外れの新雪で覆われた禅定道登山口

山毛欅尾山の背後に大笠山と笈ガ岳
 階段の登って尾根道に取り付く。5分ほどで「檜倉」の道標を見る。「一里野2.7km、室堂15.3km」と記されている。地形図上の「檜倉」はもう少し先になる。

加賀禅定道登山口@林道

登山口から5分で檜倉[道標]
 ”白さが眩しい”緩やかなぶな林の登りが続く。ベースの雪は良く締まっているのでワカン無しで快適に歩ける。他に入山者はいないだろうと思っていたのに、新雪にハッキリと残されたトレースを辿ることになった。

純白の新雪を踏み締めて行く

新雪は10センチ程度でワカン要らず
 地形図上の檜倉まで登ると、樹間にしかり場から遠く美女坂方面が見えてくる。”難所”の様子が気に掛かるが流石にここからは遠すぎて窺えない。

しかり場から美女坂までの山波が見えてくる @檜倉[地形図上]
 二重山稜になった部分で、突然トレースが途切れる。「こんな中途半端な所で戻る?」とキョロキョロするが見当たらない。我々は薄い藪を漕いで凹地を越えてもう一方の山稜に取り付く。ここで再びトレースを見つける。どうやら先行者は一旦少し戻って藪を迂回したみたいだ。ひと登りでしかり場に到着する。

檜新宮参道との合流点「しかり場」

「しかり場」の先に狭尾根の危険箇所あり
 しかり場に着き、ようやく白山本峰方面が遠くに望める。これから向かう口長倉山から美女坂への尾根道の先で道程の長さを感じる。
七倉山 大汝峰 四塚山 長倉山 美女坂の頭

目的の山とコースが見渡せる @しかり場
 檜新宮方面に下った処が平坦地になっており絶好の展望テントサイトである。トレースの主のテントがポツンと建っていた。写真が目的で一人で来られたとのことだ。折角晴天が続くのに明日が仕事で下山しなければならないことを残念がっていた。トレースのお礼を言って先へ進む。

檜新宮方面 @しかり場

トレースの主 @しかり場
 しかり場からしばらく広い尾根を行くが、下降し始めると狭い尾根に変わる。口長倉山との鞍部付近が特に狭い。中途半端な残雪で不安定なので足場の崩れに注意しながらホールドを確保しながら慎重に行く。雪庇は落ち切っているので踏み抜きの心配はないが、地肌と残雪の間にクレバスのように隙間が開いていたりするので嵌りこまないように注意する。

狭尾根に向かう @しかり場

狭尾根を中途半端に覆う残雪
 口長倉山から先は比較的安心して歩くことができる。日当たりの良い処は夏道が露出している。進むに連れ難所の「美女坂」がはっきりと見えてくる。まるで”壁”のようだ。

七倉山、大汝峰、四塚山 @長倉山

「白山の自然植生」案内板にクマ?の爪痕が・・・

雪庇が残る尾根道の向こうに難所の「美女坂」が見えてくる @口長倉山
 美女坂に対する一抹の不安を抱きながら、小さなアップダウンを繰り返して行く。

P1653m付近は尾根が広い

新雪に足跡を刻んで行く
 奥長倉山への登り斜面に露出した奥長倉避難小屋を見つけて安堵する。16:25、計画より1時間遅れで小屋に到着する。誤差はしかり場までの時間を少なく見積もり過ぎていたことによる。
 雪で冷やしたビールで乾いた喉を潤し、野菜リッチなベーコン豚汁で腹を満たす。二人だけの静かな夜、明日に備え薄暮のうちに眠りにつく。

露出した奥長倉避難小屋を見て安堵

快適な奥長倉避難小屋
【4/30(金) 快晴、微風、4℃@奥長倉避難小屋】

 予報どおりの快晴だが、朝方の冷え込みはなかった。風もなく暖かな朝である。5:50、アイゼンを装着し出発する。

朝の大笠山、笈ガ岳 @奥長倉避難小屋

奥長倉山を越せば、いよいよ美女坂
 奥長倉山で難所の美女坂を眺めルートを検討する。下部と上部は尾根に沿って登れそうに思えたが、中間部の急雪面は手掛かりとなる樹木がなく、滑ると急傾斜の立尾谷へ落ちて止りそうにない。右手にトラバースして斜度の緩い面を登ることも検討したが、トラバース自体が不安定なので決め切れない。結局、急雪面直下で再考することにした。十分にルートイメージを覚えこんで、いよいよ美女坂に取り付く。

難所の美女坂を眺め、ルートを検討する @奥長倉山
 急雪面の下部で斜面を見上げルートを決める。少し右手に斜登行してから上部に見えるシラカバ帯まで直登することに決める。傾斜は45度位はありそうだ。帰路のことも考えて、アイゼンを何度も蹴り込み足場を作り慎重に登る。雪面は凍結してはいないが、ホールドとして安心できるくらいの深さまで簡単にはピッケルは打ち込めない。

急雪面の始まり

丸石谷側は断崖、立尾谷側も急斜面
 美女坂に取り付いて1時間、少し傾斜が和らいだシラカバ帯で小休止する。
 大笠山が朝陽を浴びて白く輝き存在感を誇示している。それに比べて笈ガ岳は尾根上の小さな突起のようにしか見えない。見る方向により随分山の印象が変わるものだ。

夏道のジグザグは雪の急斜面と化している

アイゼンを蹴り込み足場を作り慎重に登る
 Y.N氏と美女岩?の2ショットを撮る。美女坂の頭までもうひと頑張りだ。尾根道の左は丸石谷への断崖になっている。

美女坂の頭と丸石谷側の断崖、 @美女岩?
 第2の急雪面を直登する。最初の急斜面に比べれば緩い。下部に樹林(中間部のシラカバ帯)があるので精神的にもゆとりが生じる。

冷え込んではいないが早朝の雪面は固い、遠く大笠山が見える @美女坂途中
 夏道ではジグザグに登っている部分が急斜面の横断になる。ピッケルと立木を駆使して不安定な足場をカバーして進む。ここを過ぎれば、後は次第になだらかになりながら美女坂の頭に到達する。

急斜面の横断が済めば次第になだらかに

美女坂の頭までもう少し
 美女坂に取り付いてから2時間、美女坂の頭で重荷を降ろし、ようやく緊張が解ける。ここから先はユッタリと雪上漫歩が楽しめる。

美女坂の頭で緊張が解ける

ここから先はユッタリ雪上漫歩
 新雪でお色直しをした真っ白な雪原が広がる。純白の上にトレースを付けて行く快感!北アルプス、加越国境の山々と周りの展望は欲しいまま!思わず「今日は野を越え、明日山越えて・・・」と山の歌を口ずさむ。行く手には遥か遠くだった四塚山が大きく見えてくる。

展望を楽しみながら行く

四塚山が大きく見えてくる

新雪でお色直しをした真っ白な雪原が広がる
荒島岳(奥)  赤兎山(前) 経ヶ岳(奥)  大長山(前)

加越国境の山々も見渡せる
 天池室跡の石積みが露出している。非常時は風が避けられるテントサイトとして使えそうだ。

四塚山と長坂 @天池室跡付近

天池室跡の石積み
 天池室を過ぎて油池へと下って行く。途中P2158mは直登せずに、夏道に沿ってやや下降気味にトラバースする。上部に雪庇はなく雪塊崩落や雪崩の危険はないと思われる。また滑落しても下部が安心な所なので、トラバースの練習にちょうど良い。
四塚山 長坂 油池(鞍部) P2158m

P2158mは直登せずに、夏道に沿ってトラバースする @天池室跡過ぎ下降点
 油池から、名前どおり長坂の長い登りが始まる。夏場は辛いこの登りも残雪期はそれほど苦にならない。雪庇や亀裂などの危険箇所もなく、下部は雪原、上部は夏道通りに歩く。今般は夏道に新しく積もった雪で膝まで沈むことがあったが、例年ならこのようなこともないだろう。

長坂を登る。下部は雪原、上部は夏道通りに歩く。
 「長坂」と記された道標を過ぎると四塚山は近い。傾斜は次第に緩くなり、再び雪上漫歩の気分になる。

四塚山の山頂付近、正面左は七倉山。
 12:57、計画より3時間早く四塚山に到着。展望の素晴らしさに魅せられて、ここをベースキャンプに変更する。

四塚山の山頂にて

四塚山の平坦地でテント設営
 明日周回する大汝峰、御前峰は直ぐ目の前だ。遠くに別山が覗いている。

大汝峰(2684m)、右手遠方は別山(2399m) @四塚山
【5/1(土) 快晴、弱風、0℃@四塚山】

 2530m山頂でのテントサイトであったが、広く移動性高気圧圏内に覆われた気圧配置のため少し風が吹いたものの静かな夜であった。今朝もまずまずの上天気である。薄明かりになるまで待って、サブザックの軽装で周回に出発する。
 七倉の辻へは、夏道どおり雪渓をトラバースする。早朝の雪面は程よく締まっており、アイゼンが気持ち良く利いて安心して歩ける。七倉の辻から御手水鉢に下って行く途中で黎明、「お日の出」を迎える。見慣れた情景とはいえ、この荘厳な雰囲気の刹那が好きだ。

夜明け前

「お日の出」(御来光)
 御手水蜂付近は融雪が進んでいる。アイゼンの爪が”ちびる”のを気にしながら夏道どおりに歩く。

七倉山の南斜面を斜下降して大汝峰

御手水鉢には氷が張っていた
 御手水鉢を過ぎると大汝峰への登りが始まる。危険箇所もなく、ひたすら緩斜面を登って行く。

大汝峰(2684m) @御手水鉢付近

大汝峰の北斜面を登る
 5:50、大汝峰に到着する。広い山頂の真中に石積みで囲われた大汝神社がある。ここまでの道中無事を感謝し、合わせて帰路の安全を祈願する。

大汝神社 @大汝峰

大汝峰(2684m)山頂にて
 日焼け顔に朝の柔らかな陽射しを浴びながら、北アルプス、乗鞍岳、御嶽山と続くシルエットを眺める。二人だけの山頂は静かで、ただ風の音だけが通り過ぎていく。 

大汝峰にて

剣ガ峰(2677m)と御前峰(2702m) @大汝峰
 大汝峰から夏道に沿って鞍部に直下降する。下部が急傾斜となる左側に寄り過ぎないように、尾根付近を下れば問題ないと思う。
 大汝峰と御前峰の鞍部の分岐から御前峰を目指す。夏道は池を巡り御宝庫に向かってジグザグの岩道を急登するのだが、今は雪に覆われて急斜面になっている。上部は地肌が露出していて境目の雪の状況が気になる。無理をせず傾斜の緩い西側から登ることにする。

大汝峰と御前峰の鞍部の分岐

大汝峰(2684m) @鞍部の分岐過ぎ
千蛇ガ池の右側を通り御前峰の西側尾根まで登り詰める。尾根を乗り越すと、眼下に室堂平が広がる。

御前峰の西側尾根に向かう @千蛇ガ池手前

西側尾根を登り御前峰へ、眼下に室堂
 西側尾根の乗越から尾根に沿って御前峰に向かう。主稜に合流したら、あとは夏道どおり進み御前峰に至る。

「お池めぐり」案内板 @御前峰への登路

別山(2399m) @御前峰
 6:45、白山最高峰、御前峰(2702m)に立つ。文字通り360度の大展望である。陽が昇り、周囲の山もハッキリと姿が分かる。大笠山、笈ガ岳が剣ガ峰の彼方に見える。特筆すべきは別山(2399m)である。別山から眺める白山も素晴らしいが、白山から眺める別山も引けを取らない。白山との標高さを感じさせない存在感が別山にはある。

大汝峰(2684m)と剣ガ峰(2677m)、間に遠く大笠山 @御前峰

Y.N氏 @御前峰(2702m)山頂

御前峰(2702m)山頂にて
 室堂に下る途中で大人数の京都の大学パーティとすれ違う。南竜ガ馬場でテント泊し、今朝白山を目指して登ってきたとのことである。室堂は本日(5月1日)から営業が始まる。雪に埋もれた小屋に入口付近だけが除雪されていた。

御前峰と白山比盗_社祈祷殿 @室堂

室堂センター @室堂
 大汝峰、御前峰の登頂を終え、四塚山への帰路につく。夏道のお池めぐりコースに沿って御前峰、大汝峰の西側を巻いて行くコースをとる。なだらかな雪原の向こうに、凛々しい姿の別山が鎮座する。荒島岳や加越国境の山々を展望しながら雪原漫歩を満喫する。

別山(2399m) @お池めぐりコース
荒島岳 赤兎山 経ヶ岳 大長山 取立山

荒島岳(1524m)と加越国境の山々 @お池めぐりコース
 踏み荒らされていない新雪が美しい紋様を見せてくれる。この時期に見られるとは・・・嬉しくなってくる。

四塚山と新雪紋様 @お池めぐりコース

御宝庫と新雪紋様 @お池めぐりコース
 大汝峰を迂回したら夏道に出て後は忠実に往路を戻る。

大汝峰、御前峰の登頂を終えて四塚山TSに戻る @大汝峰迂回の下り
 大汝峰ではシルエットだった北アルプスも今はハッキリと山の表情が分かるようになってきた。

火ノ御子峰と地獄尾根、右手尾根越しに三方崩山、遠方は北アルプス @北竜ガ馬場
 急斜面を七倉ノ辻へ登り返す。

急斜面を登り七倉ノ辻へ

急斜面を登り七倉ノ辻へ
 9:40、四塚山ベースキャンプに戻る。計画より3時間近く早い。この分なら今日中に美女坂を下ることも十分可能だ。テントを撤収し、11:00出発する。
油池 P2156m           P2136m

四塚山TSを撤収し帰路に着く @長坂
 長坂を一気に下って油池で一休み。ここまで下ると、ようやく白山釈迦ガ岳(2053m)の存在を感じる。姿は美しいと思うのだが白山主峰の裾野に紛れ山頂から眺めると尾根上のピークのようにしか見えない気の毒な山だ。

油池で小休止

白山釈迦ガ岳(2053m) @油池
 往きは気付かず通り過ぎてしまった百四丈の滝だが、この時期だけの珍しい景観を呈していた。凍結していた滝が雪融けで蘇り、滝壷に溜まった雪に穴を開けている。まるで底抜けの湯飲みにお茶を注いでいるようだ。

百四丈の滝 @花園付近

百四丈の滝 @花園付近
 13:25、美女坂の頭に到着する。登りと同じだけ時間を掛けても明るい内に奥長倉避難小屋に入れる時間だ。ここで泊って明日下る手もある。朝の堅雪の方がアイゼンの利きは良い。しかし滑った場合は止まらない危険性がある。同行のY.Nさんと相談し、このまま下ることにする。雪が緩んでいるので、急斜面での足場崩壊に細心の注意を払って下る。例のシラカバ帯から下の急斜面は、途中まで空荷で足場を作ってから下った。
 14:58、1時間ほどで無事下り終えた。奥長倉山で1パーティ、避難小屋で単独行に出逢った。ともに美女坂を登り白山を目指すとのことだった。

難所の美女坂を振り返る

紫雲に霞む大笠山と笈ガ岳 @奥長倉避難小屋
【5/2(日) 快晴、無風、7℃@奥長倉避難小屋】
 最終日も快晴、何と幸運に恵まれたことか。四塚山に見送られ満足感一杯で一里野へ下る。

四塚山に見送られ・・・

大笠山、笈ガ岳に出迎えられ・・・
 晴天続きだったため、直前降った新雪は随分融けて夏道を歩く箇所が多くなった。最後の難所、しかり場手前の狭尾根を慎重に通過する。

最後の難所、しかり場手前の狭尾根

しかり場手前の狭尾根を慎重に下る
 しかり場で小休止。四塚山は随分遠くになったものだ。最後の別れを告げる。

四塚山は遠くなり・・・ @しかり場

しかり場から檜倉への下り(二重山稜)
 下るにつれ春らしさを感じるようになる。ぶなの新緑が一際目立つようになっていた。往きは全然無かったのにタムシバの白い花があちこちに咲いていた。

ぶなの新緑

しかり場、美女坂 @檜倉
 林道登山口も、冬景色から春景色に転じていた。

新雪が融け地面が露出した登山口

新雪が融け地面が露出した登山口
 新緑に包まれてのんびりと山頂駅に向かう。ゴンドラの始発にちょうど良い時間になった。9:13、無事ゴンドラ山頂駅の登山口に帰着した。

新緑に包まれて山頂駅に向かう

無事ゴンドラ山頂駅の登山口に帰着
【感想】
 好天気に恵まれて、念願の北部ルートからの白山をクリアすることができとても満足です。下見の成果も十分活かすことができ、自分としては理想的な山行ができました。天候と残雪の状態によっては厳しいコースになりますので、くれぐれも細心の注意を払って入山されることをお奨めします。
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