鳳凰三山 地蔵岳(2764m)

◆ 山行記録

山行概要

山行日 2000年5月4日(木)〜6日(土)
地蔵岳(2764m)オベリスク
天気 快晴→薄曇り、微風→弱風
コース概要 夜叉神峠---鳳凰三山縦走---御座石鉱泉
装備 26kg(テント泊+軽アイゼン、ピッケル携行)
食料 夕食(3)+朝食(3)+行動食(3)+水(3リットル)
同行者 無し
企画 念願の鳳凰三山、残雪の白峰三山展望を楽しむ

行動記録

5/4(木) 快晴、微風
鳳凰三山行程図
甲府 12:00
夜叉神峠登山口 13:14,13:25
夜叉神峠小屋 14:35
5/5(金) 快晴、微風
夜叉神峠小屋 4:50
杖立峠 6:35,6:40
苺平 8:30,8:45
南御室小屋 9:10,9:30
砂払岳 11:20,11:25
薬師岳小屋 11:30
5/6(土) 晴れ時々薄曇り、弱風
薬師岳小屋 5:00
薬師岳 5:10
観音岳 5:45,6:10
アカヌケ沢ノ頭 7:20,7:25
地蔵岳分岐 7:35,7:50
鳳凰小屋 8:15,8:35
燕頭山 10:20,10:30
御座石鉱泉 12:15,13:15
韮崎 14:00

◆ 山行資料

各種機関 (役場、医療、警察、消防、交通)

芦安村役場観光課 055-288-2111 南御室小屋 0551-22-6682
韮崎相互病院 0551-22-2521 薬師岳小屋 0551-22-6682
韮崎市立病院 0551-22-1221 鳳凰小屋 0551-27-2018
韮崎警察署 0551-22-0110 御座石鉱泉 0551-27-2018
南ア林道管理事務所 055-288-2311 芦安観光タクシー 055-288-2053
夜叉神の森小屋 0551-22-0517 山梨交通 055-223-0821
夜叉神峠小屋 055-288-2402 山交タクシー 055-222-2435

時刻表

◇ 甲府 ←→ 夜叉神峠 <¥1,380> 山梨交通(敷島営業所):055-277-8911

甲府(6番乗場)  400  600  750  900 1005 1200 1300 1405
芦安  450  650  837  947 1052 1247 1347 1452
夜叉神峠  517  717  904 1014 1119 1314 1414 1519

夜叉神峠  743  928 1113 1248 1432 1518 1628 -
芦安  810  955 1140 1315 1459 1545 1655 -
甲府  857 1042 1227 1402 1546 1632 1742 -
【注意】
・2000年G/W期間中の時刻表です。
・運転日:4/29,30,5/3,4,5,7:赤字+黒字、5/6:黒字、5/1,2,は運転なし。
・5/13,14は運転なしの予定。広河原への運転再開は6/15予定。

◆ 日誌と写真

行動日誌

岡崎始発(5:57)に乗り、静岡まで普通電車で2時間半の予定であったが、途中、浜松でゆったりとしたホームライナーに誘惑されて乗換え、8:03に静岡駅に着く。ふじかわ1号で甲府に定刻通り10:55到着。改札を出て左手、バスセンターに向かう。エスカレータを降りると、目の前に山梨交通の案内所とバス乗場がある。芦安、夜叉神峠行きは6番乗場だが、他に登山者の姿なし。初夏を思わせる日差しに街路樹の緑が眩しい。
結局、夜叉神峠登山口までの乗客は11人、夜叉神峠に写真を撮りに行く方が多い。

夜叉神峠行き6番乗場

芦安村でトイレ休憩
バスは空いていたものの、夜叉神峠登山口はマイカーで溢れかえっていた。路側帯の僅かなスペースに駐車する車が延々と続きバスも走りにくい。登山口まで車道に雪はなく、一般車、普通タイヤで支障なく上れる。
登山届ポストは登山道起点の休憩舎入口にある。扉を開けると、たくさんの登山届で零れ落ちそう、どれくらいのペースで回収しているのだろう。
2.5万図通りジグザグに登って行く。最初は少しきついが、次第に緩やかに高度を上げていく。夜叉神峠で展望を楽しんだ家族連れなどがたくさん下山してくる。これだけの人がマイカーで来れば駐車場は足りないはずだ。
夜叉神峠小屋で、テント泊の手続きをする。笹原を切開いたテント場は風もあたらず雪も全くなく良好な環境である。

夜叉神峠小屋

夜叉神峠
夜叉神峠は白峰三山の絶好の展望台というガイドブックの解説に納得する。午後の強い陽光を浴びた残雪がキラキラと輝き、岩稜帯と沢筋がコントラストを増し、大きな三山がいっそう高く険しく見える。

間ノ岳(3189m)

北岳(3192m)
塩見岳(3047m)は農鳥岳に隠れて見えないが、蝙蝠岳から徳右衛門岳へと伸びる稜線が顔を覗かせ、その奥に荒川三山の悪沢岳(3146m)が白い頭を出している。赤石岳(3120m)、聖岳(3011m)は悪沢岳に隠れて見えないが、上河内岳(2803m)が、やはり白い姿で存在を誇示している。

荒川岳(3146m)と遠く上河内岳(2803m)

農鳥岳(3026m)
5/4(木)の落日、北岳と間ノ岳の間に沈んでいく。5/5(金)の日の出、からまつ林の中で迎える。樹間に垣間見える白峰三山は残念ながら赤く染まらなかった。

北岳と間ノ岳の間に沈む夕陽

からまつ林で日の出を拝む
1900m付近から、次第に登山道に残雪が見られる。踏み固められて凍り滑りやすい。2050m付近から凍った雪が登山道を覆うようになりアイゼンを装着する。杖立峠からの樹林帯は残雪が多い。トレースがしっかりとついており、また適度に締まっていて歩きやすい。

杖立峠への登り

苺平への登り
苺平には、辻山へのトレースが僅かに残っていた。展望は薬師岳で・・・と思い、寄り道せず先を急ぐ。静かな樹林帯を下っていくと開けたところ南御室小屋に到着した。小屋の周りの雪は解け出しており、テント場は部分的に地面が顔を出している。
水場は小屋のすぐ横手にある。薬師岳小屋でのテント泊を尋ねたが、当然「NG」の返事であった。薬師岳小屋での素泊まりを予約する。上に水はない(雪はたくさんある)とのことで、ポリタンを満タンにして行く。

南御室小屋

南御室小屋のテント場
南御室小屋からすぐに急登が始まる。部分的に凍っているのでアイゼンが必要。登りきると、明るい樹林帯の雪道を気分良く進む。森林限界は近い。ガマの岩から白峰三山を望む。夜叉神峠より北岳が大きく見える。砂払岳へと気が急ぐ。

明るい樹林帯の道

ガマの岩
花崗岩の露岩帯を登りきると、待ち望んでいた雄大な展望が飛び込んできた。砂払岳の肩である。

仙丈ケ岳(3033m)

アサヨ峰(2799m)
甲斐駒ケ岳(2966m)は隠れて見えないが、早川尾根のアサヨ峰(2799m)から、仙丈ケ岳(3033m)、北岳(3192m)、間ノ岳(3189m)、農鳥岳(3026m)とパノラマが広がる。

間ノ岳(3189m)

北岳(3192m)
 

農鳥岳(3026m)

右、間ノ岳(3189m)と左、農鳥岳(3026m)
こちらが高度を上げた分だけ、遠く荒川三山がハッキリと見え、手前右側には蝙蝠岳(2865m)?も顔を覗かせている。

霞む富士山(3776m)

遠く荒川三山、左端が悪沢岳(3146m)
観音岳(2841m)も間近に見え、薬師岳(2780m)は指呼の距離だ。砂払岳から薬師岳小屋を俯瞰する。屋根の雪はほとんど解け、青とオレンジの屋根が見えている。

観音岳(2841m)と薬師岳(2780m)

薬師岳小屋
11:30に薬師岳小屋に到着。素泊まりを申し込み、所定の寝所に案内される。昨日は宿泊者多数で満員御礼だったそうだ。今日は多少少ないのでは・・・と小屋番の予想であった。小屋内は雪解け水が溜まり、3人の小屋番は長靴を穿いて排水作業に忙しくしていた。ビールとつまみを抱えて、いざ、薬師岳頂上に向かう。10分足らずで山頂に至る。広い頂上では、お気に入りの場所で景色を眺めている人たちがまばらにいる程度。夕食準備までの3時間、風もなく穏やかな陽射しの下、静かな山頂で贅沢な時間を過ごした。太陽が傾くにつれ、白峰三山の輝き具合が変わっていく様を飽かず眺める。

薬師岳(2780m)山頂にて

八ヶ岳連峰
5/6(土)、晴れているものの風が強まり、天気下り坂を感じる。暖かい朝である。予定では、地蔵岳往復後、往路を夜叉神峠まで戻り、峠でもう一泊し展望を楽しむ計画であったが、予想以上に雪解けが進み御座石鉱泉に安全に下れそうなこと、明朝の夜叉神峠からの展望が期待できそうもないことから、予定を変更し御座石鉱泉に下ることにした。
白峰三山を左に見ながら残雪と白砂の稜線を行く。緩やかな登下降を繰り返しながら高度を上げていくと観音岳に到着する。間近に地蔵岳(2764m)オベリスクを見て気持ちの高まりを覚える。

観音岳(2841m)への稜線を行く

観音岳(2841m)山頂
観音岳(2841m)からは、いったん大下りする。アカヌケ沢ノ頭との鞍部から振り返ると、観音岳へ登り返す場合は気合が要りそう。賽ノ河原付近も雪解けが進み至る所地面が露出している。これだけ解けておればコース上に雪崩の心配はなさそうに思う。オベリスクをバックに念願の記念撮影。思わず顔がほころぶ。

アカヌケ沢ノ頭と地蔵岳

地蔵岳(2764m)
賽ノ河原から沢筋を下り、暫くして左手に折れ樹林帯に入る。意外にもたくさん下るような感じがしたが、やがて鳳凰小屋に到着した。鳳凰小屋は吹き溜まり側の沢筋のため積雪量が多いのか、まだ雪に囲まれて小屋がある。テント場も雪原上である。

鳳凰小屋

テント場
ドンドコ沢を経て青木鉱泉に下るルートにも踏跡が見られるが、沢筋コースのため豊富な残雪が気になるところ。安全な燕頭山を経て御座石鉱泉に下るルートをとる。

正面は青木鉱泉、左は御座石鉱泉の分岐

青木鉱泉へのルート
燕頭山(2105m)まで、樹林帯の中の尾根道を緩やかに下っていく。腐り始めてきた雪に何度か足をとられる。夏道と異なる部分があるが、雪面に赤く(ベンガラ?)矢印が印されているので迷うことはない。燕頭山(2105m)手前にのザレ場には鎖が渡されていて通行に支障はない。積雪期に通過するのは怖いかもしれない。燕頭山(2105m)から鳳凰三山の最後の展望を楽しみ、一気に御座石鉱泉まで駆け下る。1800m付近までは登山道が部分的に凍っており滑りやすいので注意する。

ザレの鎖場

燕頭山(2105m)
12:15、御座石鉱泉に辿り着く。新調したばかりの靴であったが、靴擦れも起こさず快適であった。都合良く、乗合いのタクシー(マイクロバス)に混ぜてもらう。発車まで1時間あるので、風呂で汗を流しビールで喉を潤す。うーん、うまい!山菜そばで腹を満たして、しめて3,600円也! 車の中で、「決して安くはないな・・・」と呟いた。なお、タクシー代は、1,500円/人(合計7,500円)であった。
何度も日程を変更し、背水の陣で臨んだ「鳳凰三山縦走」。天候にも恵まれ、期待以上の好展望と贅沢な時間を楽しむことができた。また、一番最初の計画(今回の計画とは異なる)通り、縦走できたことも嬉しかった。ただ、春霞のため、富士山がくっきりと見えなかったのが少し残念であった。