飯豊山(2105m)縦走  イイデリンドウを求めて

◆ 山行記録

山行概要

山行日 2003年8月10日(日)〜13日(水)
前夜発3泊4日

飯豊は初秋の佇まい
天気 8/10(日) 晴れ時々曇り、微風
8/11(月) 曇り時々晴れ、微風
8/12(火) 霧雨(視界100m)、弱風
8/13(水) 霧のち晴れ時々曇り、微風
コース概要 奥胎内〜杁差山〜飯豊山〜川入
装備 21kg(テント泊装備)
食料 朝3+夕3+行動食3+水(1L)+予備食
同行者 OAC会員3人(M.R,K.K,Y.N)
企画 イイデリンドウなど自然観察

行動記録

【8/10(日) 晴れ時々曇り、微風】
8/09岡崎(2300) === 8/10飯田IC(130) === 岡谷JCT(220) === 梓川SA(235,255) === 上越JCT(415) === 米山SA(435,445) === 新潟中央JCT(440) === 西会津IC(625) === 山都駅(650,705) === 川入キャンプ場PKG(735,750) --- 川入(815,950) === 山都駅(1040,1143) +++ 新潟駅(1338,1423) +++ 中条駅(1501,1510) === 胎内ヒュッテ(1600)TS1

就寝(1900)
【8/11(月) 曇り時々晴れ、微風】
起床(300)

TS1(440) --- 足の松尾根取付(531,550) --- 姫子の峰(645,657) --- 滝見場(740,810) --- 大石山(1048,1110) --- 鉾立峰(1205,1215) --- 杁差小屋(1255,1315) --- 杁差岳(1320,1325) --- 鉾立峰(1348,1355) --- 大石山(1430,1440) --- 頼母木小屋(1525)TS2

就寝(1900)
【8/12(火) 霧雨(視界100m)、弱風】
起床(230)

TS2(405) --- 頼母木山(430,435) --- 地神北峰(510) --- 地神山(527) --- 扇ノ地神(600,610) --- 門内小屋(635,720) --- 北股岳(815) --- 梅皮木小屋(837,910) --- 梅皮木岳(937) --- 烏帽子岳(1005,1012) --- 御手洗ノ池(1150,1155) --- 天狗の庭(1202) --- 御西小屋(1300)TS3

就寝(1810)
【8/13(水) 霧のち晴れ時々曇り、微風】
起床(230)

TS3(425) --- 玄山道分岐(512) --- 駒形山(525) --- 飯豊山(540,610) --- 本山小屋(630,655) --- 一ノ王子水場(710,735) --- 御秘所(820) --- 草履塚(845,857) --- 切合小屋(930,1000) --- 1015七森(1031) --- 三国小屋(1102,1114) --- 鎖場(1132) --- 地蔵山分岐(1202) --- 峰秀水水場(1213,1231) --- 地蔵山合流(1240) --- 横峰分岐(1256) --- 笹平(1306) --- 上十五里(1323,1335) --- 中十五里(1347) --- 下十五里(1358) --- 御沢小屋跡(1425,1432) --- 川入キャンプ場PKG(1440,1505) === いいでの湯(1525,1655) === 西会津IC(1735) === 飯田IC(2320) === 岡崎(300)

飯豊縦走 行程図
この画像は国土地理院発行の数値地図200000日本-Uを使用して編集しました。

◆ 山行資料

各種機関 (役場、医療、警察、消防、交通)

黒川村商工観光課 0254-47-2711 山都町企画課振興係 0241-38-3835
中条警察署 0254-43-0110 喜多方警察署 0241-22-5111
  〃  胎内駐在所 0254-48-3142   〃  山都駐在所 0241-38-2044
新発田地域消防本部 0254-22-1119 喜多方広域消防本部 0241-22-6211
中条病院 0254-44-8800 県立喜多方病院 0241-22-2181
県立新発田病院 0254-22-3121 飯塚病院附属有隣病院 0241-24-5021
中条タクシー 0254-44-8888 丸栄自動車(レンタカー) 0241-38-2221
チューリップタクシー 0254-44-6668 山都タクシー 0241-38-2025
いいでの湯 0241-39-2360 会津バス喜多方(営) 0241-22-1151

◆ 日誌と写真

行動日誌

【8/10(日) 晴れ時々曇り、微風】
 台風10号のため出発を半日遅らせた。梅雨明け後の安定した夏空も拝まないうちにもう台風が上陸してきた。今年の夏は一体どうなっているのだろう。台風一過の晴天を期待して長駆飯豊に向う。幸い帰省ラッシュに遭遇することなく、8時間足らずで山都駅に着いた。交替で運転しながらであるが夜通しの運転で皆疲れが見られる。メンバー3人とリュックを降ろして単身川入に向う。
 川入から先は道幅が狭く中型車以上は進入が規制されている。川入の民宿を縫うように狭い道が続いている。

会津バスの川入バス停

川入キャンプ場PKGまで道幅は狭い
 民宿の家並みを抜けた処に飯豊鉱泉がある。いつでも日帰り入浴可能と書いてある。擦れ違いが難しい狭い道で心配したが1台も行き合わなかった。川入キャンプ場には広い駐車場がある。誰も止めていない第2駐車場に木陰を見つけ愛車を止める。

川入の民宿から少し離れた飯豊鉱泉

川入キャンプ場の第2PKG
 徒歩30分足らずで川入に戻る。始発のバスまで1時間30分待ちである。バス停にはベンチも自販機も何もない。登山者2名を乗せたタクシーが通り過ぎキャンプ場に向った。川入ではじめて見る登山者だ。早朝のためなのか・・・、それにしても閑散とした登山口である。帰りの空タクシーがバス待ちの私に一瞥もくれず通り過ぎていく。料金が折り合えばタクシーでも・・・と思案していたのに肩透かしであった。
 管理人であろう村人が「飯豊山寄覧所」を開けて行った。廃校を活用した資料館で、山村の生活を偲ばせる農具、民具などが展示されている。ここでバスの時間まで休ませてもらう。

飯豊山寄覧所(廃校を活用)

飯豊山寄覧所(廃校を活用)
 会津バスで山都駅に戻る。乗客は延べ5人、登山者は私一人だけだった。運転手は登山者で賑わっていた頃を懐かしんでいた。運転手も村の人、乗客は皆顔見知り。仄々とした会話が車内に弾む。途中、収穫したばかりの”シソ”の運搬を頼まれて快く引き受けていた。お礼にトウモロコシ3本を貰っていた。
 山都駅から快速「あがの1号」、臨時特急「いなほ83号」を乗り継いで3時間余り、ようやく中条駅に着いた。飯豊連峰を縦走するのは下界での移動がたいへんだ。駅前からタクシーで40分(約9000円)で胎内ヒュッテに到着したのは夕方4時であった。
 サイト料は一人300円。給水施設(沢の引水)とトイレがある。テントは我々の一張りだけで貸切であった。

胎内ヒュッテ

胎内ヒュッテのキャンプ場
【8/11(月) 曇り時々晴れ、微風】
 日中は良い天気だったのに夜半に結構雨が降った。台風一過の青空を期待していたのに・・・不安がよぎる。初日から重たくなったテントを背負うことになったY.N君が可哀想。薄暗い林道を足の松登山口に向う。空は黒い雲で覆われている。林道は改修工事が進んでおり、崩壊しやすい沢筋には立派な橋が架けられている。なお、足の松登山口へは8月末迄の土日祝祭日には登山者向けのバスが運行されているようだ。

足の松登山口のバス停

奥胎内バス運行時刻表 拡大(04年度版)
 足の松沢に架る大きな橋を渡ったところが足の松尾根の取付きになる。下草は刈込まれているので雨つゆで濡れる心配はない。しばらくは緑鮮やかなブナ林の平坦なところを行くが、すぐに急坂が始まる。曇り空、それに西側の尾根のため陽射しは当たらないが、無風状態に汗が滲み出る。
 姫子の峰と滝見場の間に短い区間だが岩場(狭い岩稜)がある。固定ロープに頼りながら慎重に通過する。

足の松登山口

ブナ林の中、急坂が続く
 ブナ林を抜け出すと次第に展望が得られるようになる。西方に日本200名山の二王子山が見える。汗を拭い喘ぎながら、大石山とそこから南に延びる飯豊の主稜線に一歩一歩近づいて行く。

二王子山(1420m)

大石山まであと一頑張り
 大石山に荷物をデポし、サブザックの軽荷にて杁差岳を往復する。疲れた身体を一面のお花畑が優しく出迎えてくれる。荷物は軽く足取りも軽いが、写真タイムで中々前に進まない。

大石山から杁差岳までお花畑が続く
 
ハクサンシャジン、タカネマツムシソウなど紫系の花が多い
 鉾立峰は大石山と杁差岳の間にあり話題にもならない山だが結構登り甲斐がある。山頂の展望も素晴らしい。杁差避難小屋は二階建ての立派な小屋で丁寧に使われていて気持ちが良い。それにトイレが別棟になっていて臭気が気にならない。水は小屋の裏手から降りた雪渓で得られる。往復10分もかからない。

杁差岳(1636m)

杁差避難小屋
 杁差岳へは小屋から5分で登れる。残念ながら濃いガスに覆われて展望は皆無!我々だけの静かな山頂であった。

杁差岳(1636m)登頂記念

杁差岳(1636m)山頂の祭祀
 大石山に戻り、今日のサイト地頼母木小屋に向う。途中雨が降り出しとうとうカッパを着ることになった。頼母木小屋は素泊まり1500円、給水施設(沢の引水)、トイレあり。我々以外には単独行が男性ばかり5人でゆったりと過ごすことができた。
【8/12(火) 霧雨(視界100m)、弱風】
 朝から雨、一日中降り続く予報だが、行動に支障はないので”制服の”カッパを着て懐電を灯しながら歩き始める。好天気なら飯豊主稜線の雲上漫歩を楽しめたはずなのだが・・・。雨に濡れた瑞々しいお花を愛でながら雲の中をさすらう。
 途中、門内小屋、梅花皮小屋で休憩を取らせてもらい、ゆったりとお茶を沸かし行動食を摂る。にもかかわらず、お花タイムが少なかったので御西小屋には13時に到着する。展望も期待できないため大日岳(飯豊の最高峰)ピストンは断念し、早々に”宴会”モードに入る。御西小屋は素泊まり2000円、トイレは別棟、水場は少々遠い。スリッパ履きで出かけたY.N君が着替えたばかりのズボンを泥だらけにして戻ってきた。ご苦労様でした。

【8/13(水) 霧のち晴れ時々曇り、微風】
 朝方星空を確認したはずなのに朝霧が立ち込め不安がよぎる。風も強く肌寒い。黎明の飯豊山に向って今日も懐電を灯しながら出発する。朝焼け雲の表情が刻々と変化していくのが面白い。

御西小屋から飯豊山に向う

黎明の飯豊山
 5時40分、飯豊山に登頂する。稜線を渡るガスは絶え間ないが、歩いて来た飯豊連峰主稜線や、飯豊の最高峰大日岳が時折姿を見せる。それに珍しいブロッケン現象も。

飯豊山(2105m)登頂記念

ブロッケン現象 @飯豊山

大日岳(2128m) @飯豊山

北股岳(2025m) @飯豊山
 飯豊山から飯豊山神社に向う頃には、ガスが切れて雄大な飯豊の展望を楽しむことが出来た。遠く杁差岳も見える。遥々と歩いてきたものだと我ながら感心する。スッキリした視界は得られず、朝日連峰や磐梯山、吾妻山、安達太良山は薄くその姿を確認できるのみである。

飯豊山(2105m)と飯豊連峰主脈、右端に杁差岳が見える @飯豊山神社への登り

大日岳(2128m)と御西山、飯豊山(2105m) @飯豊山神社への登り
 山座同定に名残は尽きないが、道程は遠いのでほどほどに帰路につく。なお、お目当てのイイデリンドウは飯豊山から一ノ王子水場までの区間で出逢うことができた。
 御秘所の岩稜や剣ヶ峰の鎖場は、”お花の山、なだらかな山容の飯豊”の別の顔を見せてくれる。

御秘所の岩稜を行く

御秘所
 姥権現、草履塚と下るほどに飯豊山は遠のいていく。 

飯豊山、御秘所 @姥権現

飯豊山 @草履塚手前
 草履塚から切合小屋までは雪融けが遅いのか、ショウジョウバカマやハクサンコザクラなど春の花にも出逢えた。

草履塚から切合小屋に降る

飯豊山の見納め @切合小屋
 切合小屋から三国小屋まで1ピッチ、歩きやすいので快調に進む。

種蒔山から三国岳(三国小屋)に向う
 
 剣ヶ峰の鎖場を慎重に降る。地蔵山には登り返さず巻き道を使う。巻き道への分岐は2ヶ所あり、1つ目は進入禁止でロープが張ってある。2つ目は直ぐにあり、右手に土手を上がるようにして巻き道に入る。泥濘の多い道なので滑らないように気を付ける。巻き道の中間点に”峰秀水”の水場がある。岩から沁み出す美味い水で咽を潤す。

剣ヶ峰の岩稜を降る

剣ヶ峰の岩稜を降る
 横峰小屋跡の手前に分岐がある。見辛い看板に少々考え込む。

横峰分岐(現在地)
下山方向に向って
直進:長坂を経て御沢から川入に降る。
左折:林道(工事中)終点のPKGに降る。
地図
 笹平、上十五里、中十五里、下十五里と頻繁に道標が現れ、長く単調な長坂の降りで気を紛らわせてくれる。それぞれ休憩に適した場所である。沢の水音が大きくなり、傾斜が緩やかになると御沢は近い。

ようやく御沢に到着

山都町指定天然記念物「御沢の杉・栃」
 御沢から川入のキャンプ場まで10分足らずの距離だ。飯豊縦走の余韻を味わいながら、ほどなく駐車場に着く。

川入キャンプ場PKGまで10分足らずだ

「飯豊山表参道川入口」の標石
【自然観察】

イイデリンドウ

イイデリンドウ

オヤマリンドウ

オヤマリンドウ

タカネマツムシソウ

タカネマツムシソウ

ハクサンシャジン

ハクサンシャジン

ハクサンフウロ

ハクサンフウロ

キオン(ミヤマキオン?)

キオン(ミヤマキオン?)

ウメバチソウ

ウメバチソウ

ミヤマアキノキリンソウ

ミヤマアキノキリンソウ

ミヤマコゴメグサ

ミヤマコゴメグサ

?−1

?−1

エゾシオガマ

エゾシオガマ

ヤマハハコ

ヤマハハコ

イブキトラノオ

イブキトラノオ

タカネナデシコ

タカネナデシコ

ハクサンシャジン

ハクサンシャジン

カシワバハグマ

カシワバハグマ

クルマユリ

クルマユリ

ミヤマトリカブト

ミヤマトリカブト

イブキジャコウソウ

イブキジャコウソウ

ミヤマキンポウゲ

ミヤマキンポウゲ

イワイチョウ

イワイチョウ

ウサギギク

ウサギギク

イワツメクサ

イワツメクサ

ヒメシャジン?

ガンコウラン(果実)

ミヤマウスユキソウ

ミヤマウスユキソウ

ミヤマホツツジ

ミヤマホツツジ

?−2

?−2

マルバダケブキ

マルバダケブキ

?−3

?−3

アオノツガザクラ

アオノツガザクラ

チングルマ

チングルマ

コイワカガミ

ハクサンコザクラ

ヨツバシオガマ

ヨツバシオガマ

モミジカラマツ

モミジカラマツ

ショウジョウバカマ

ショウジョウバカマ

オニシオガマ

オニシオガマ

タマガワホトトギス

タマガワホトトギス
【感想】
 飯豊主稜線の雲上漫歩は楽しめませんでしたが、お目当てのイイデリンドウやたくさんのお花に出逢うことができて満足な山行でした。特に杁差岳から大石山にかけてのお花畑は、この自然なままの素晴らしさをいつまでも大切に残したいものです。
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